大台東の川シオカラ谷沢登り

  • 2009.08.24 Monday
  • 21:28

 8月例会で大峰池郷川沢登りを計画していましたが、CLのNさんから今年の池郷は水量が多く相当困難な遡行となるので別の場所へ変更するとの連絡があった。
 奥美濃川浦谷での実力から、例え沢の状況が良くても池郷は無理だと思っていただけに少しホッとしたような複雑な気持ちだ。(実力以上で敗退しても良いからどんなところか一度は覗いてみたい。本音ですよ。)
 候補としては、同じ流域の小又谷と大台の東の川が予定されていた。自分自身以前二度計画したが何れも悪天候で中止となった大台の東の川を希望した。
 8月21日(金)夜発日帰りの計画であったが、土曜日の天候が悪く翌日は回復する天気予報を信じて一日出発日を延ばすことに変更した。その甲斐あって土曜日から快晴となり、大台にしては珍しい二日続きの快晴の下明るくて壮大なスケールの東の川上流部を楽しく遡行できた。
西の滝と雲水
   写真:西の滝をバックの雲水

 Nさんとは大台の駐車場で待ち合わせる。稲美町を19時半出発、阪神高速の渋滞にも遭わず予定どうり3時間ほどで到着。駐車場は沢山の車、登山の車以外に天体観測の車も多い。空を見上げると久しぶりに見る満天の星空、天の川も夜空を白く染めて横たわっている、あまりの多さに星座を特定するのが難しいくらいだ。
 40年ほど前大峰の沢で見た恐ろしいくらいの星の数に恐怖を感じた時の様な星空程ではないが、星空の下で路上に座り軽くビールで乾杯。下界の暑さに比べて此処は将に天国、涼しすぎて寒いので慌てて長袖を着た。

 8月23日(日)翌日も天気は快晴。支度をして6時半頃出発、大蛇瑤悗亮遊道を降りシオカラ谷吊り橋に着く。いよいよここから滝見道へ入る。勿論通行止めです。Nさんの話では、大昔は中の滝や西の滝を見るための道が有ったそうで、東の川まで降り千石瑤防佞韻蕕譴芯子や桟道を伝って一巡りする道だったそうです。勿論今はそんな物有りませんが、所々に残骸は有りました。
 シオカラ谷に沿って細々と道は残っています。篠に隠され判り難い所も在りますが、東の滝落口までは割合明瞭です。
 沢を上から覗くと清流が流れていますが、意外なほど穏やかな流れです。やがて東の滝落口に到着、昔の名残か鎖の手すりが有りました。此処までは穏やかですが、この東の滝(25m)を境に様相は一変します。インターネット等でこの道のことを調べると、ここから左の尾根へトラバースぎみに滝見尾根に上がると書いてありますが、踏み跡が見つけ辛く少しの間薮漕ぎをしたが踏み跡は無く、適当なところより上の稜線目指し薮を漕いで行く。稜線には明瞭な道が残っていた。この後は間違えるような所は無いが東の川まで急斜面が続く。途中一箇所展望台が在り、ここからは西の竜口尾根、対岸には西の滝、中の滝、千石瑤梁膣篳匹間近に迫り迫力満点の景色です。秋の紅葉の頃なら岩壁が色とりどりに染められ、さぞや美しい事でしょう。
西の滝
   写真:西の滝

 何処までも斜面を降り続けると目の高さに西の滝が見える様になるともう僅かです。気をつけないと最後で断崖に出ないよう判りづらい分岐を右に降ると鎖で降りられます。我々は真っ直ぐ降ってしまい懸垂でないと降りられなくなってしまった。適当な懸垂支点が無いので、分岐まで登り返し右へ降るとスンナリ降りることが出来た。時間にして2時間、東の川へ無事降りてきました。
 目の前には朝日に映えた西の滝が上空より降り注ぎ、凄まじい迫力です。上流は家ほどもある大岩が折り重なり、まるでパズルを解くようなボルダリングの遡行です。少し上流には中の滝が300mの岩壁から一気に落下しており息をのむ光景だ。筆舌に尽くせない光景とは将にこれだと感じた。是非皆さんも一度この光景を目で確かめてください。写真では表現できないほどの雄大な景色が見られます。
 支度を沢用に換え出発、中の滝への沢に入らないよう注意し右の沢へ進む。岩間の滝や釜を持った小滝が次々に立ちふさがるが全て直登で進む、時々登れない所もあるが、ショルダーなどで協力して越えていく。
千石
   写真:千石

千石瑤鳳茲辰禿个辰討いようになると最初の大滝「高倉滝」が行く手を阻むように立ちはだかる。滝の左側を越えていこうとしたが、水量が多く出口付近が純層で濡れている為このルートを諦め、左岸を小さく高巻く。
 さらに詰めると日が差し込み緑色に輝く大釜に出る、あまりに綺麗なのでここでコーヒーブレイク。アマゴだと思うが、数匹悠然と泳いでいる。禁漁区の為か警戒心が無いようだ。
美しい釜
   写真:綺麗な釜

 暫くして垂直に落下する東の滝に到着。シオカラ谷最大の滝で25m程、岩の割れ目を一気に落下しているが釜は小さい。色々な案内には左岸を高巻き上部の滝見尾根に上がり落口に至るとあるが、Nさん曰く、ここは右岸の小さな沢を登り、左岸のルンゼ状を木に掴まりながら登りきると落口すぐ上に出るルートが有り、以前もこちらから高巻いたとのこと。現在はルンゼ下部が崩壊し取り付けないが、沢を少し登り、途中から右へ岩混じりの斜面をトラバースするとルンゼの中間部に出る、そのままモンキークライムでルンゼを登れば簡単に落ち口へ出た。
 ここから上流部はナメが続き、気持ちの良い沢歩きをすれば見慣れた吊り橋が現れ12時過ぎ遡行終了。家族連れが楽しそうに水遊びをしていた。疲れた足で階段を登りやっと駐車場へ帰着、行楽客で駐車場は満車状態。実働5時間ほどの沢登りでしたが、天気にも恵まれ素晴らしい東の川を堪能しました。お付き合い頂きましたNさんに感謝。
 帰りに入之波温泉で汗を流し少し渋滞に巻き込まれましたが夕方7時頃稲美町へ無事帰着、来年はもう少し下部から遡行する計画です。
 

奥美濃・川浦谷

  • 2009.08.14 Friday
  • 11:23

 2009年8月7日夜集合場所の稲美町役場を出発。交通渋滞に掴まり近畿を抜けた頃は日付が変わっていた。
 東海北陸道美濃ICから板取川沿いに車を走らせ、道の駅「ラステンほらど」到着、思い思いに寝場所を決め朝まで仮眠。トラックのアイドリングが耳障りだったがそれ以外は快適な道の駅でした。
 簡単に朝食を済ませ、流域最奥の板取川キャンプ場へ向け出発。沿道には鮎などの渓流釣りの案内が多く、鮎料理の店が建ち並び、キャンプ場も至る所にある。女子マラソンの高橋尚子が給水に使用して一躍有名になった「高賀森水」もこの流域にあります。
 「板取スイス村」と呼ばれているこの地域、スイスを連想させるのは、施設に付けられた名前が全てドイツ語、道の駅のラステンとはドイツ語で「休息する」。板取川温泉は「バーデンハウス」といったようなネーミング。中学校の校舎や体育館等全てが木造、しゃれた喫茶店等々、地域興しに相当力を入れているようです。
 8月8日 朝日の差し込む板取川キャンプ場に到着すると、多くの家族連れがコテージに宿泊しており朝食の準備中。前には川浦谷の清流が流れており、上流に目を移せば吊り橋の向こうに緑色したゴルジュの入り口がおいでおいでと誘っている。
川浦谷ゴルジュ
  写真:川浦谷ゴルジュの始まりです

 キャンプ場の管理人に沢の様子を尋ねると、平常より20cm位多いとの話。今日は天気も良いので、一日経てば水量も少しは下がるだろう。明日、海の溝洞と一挙に遡行することに変更し、本日は、銚子が滝(20m)から上流部を遡行することにする。
 車を林道奥の通行止めへ移動させ、簡単な装備と釣り竿で出発。この林道は、銚子が滝探勝の目的で作られてはいるが、至る所で崖崩れが発生しその補修に追われ完成はしているものの一般に公開されていない。地元業者と行政の馴れ合いで事業を計画し、無駄な税金を垂れ流している過疎地特有の構図がここでも垣間見られる。
 今日が土曜日と言うこともあり、土木業者の工事が行われている横をすり抜け大きなトンネルと橋が分岐する所まで歩き、いよいよ銚子が洞の遡行を開始する。
 橋の下には、銚子が洞が幅2m位に狭まりその上に岩が両側の岩壁を跨ぐように乗っかっている「石門」と呼ばれている所だ。橋詰めから銚子が洞左岸に50m程降りるのだが、急斜面を古いロープやトラロープを頼りに慎重に降ると「石門」のすぐ上流部に降り立つ。これはなかなかの見物である。写真を撮ろうとシャッターを切ると、メモリーが僅かですとの警告が出る。1Gのメモリーが一杯になったのかと確認したが撮影枚数は2〜3枚だけ。不思議に思い中を確認すると何たることかメモリーを入れ忘れているではないか。慌てて画素を落とし本体内のメモリーだけでの記録となる。いつもならバシバシ撮るのだが今回ばかりは慎重に選んでの撮影となった。
 林道歩きと斜面下降で汗が噴き出していたが、沢に降り立つとやはり涼しい。早速A師匠は釣り竿片手に平凡な流れを遡上。我々も後を追うがなかなか追いつけない。右岸から沢が流入すると銚子が滝への遊歩道がすぐ傍まで降りてきて、終点の銚子が滝まで右に左にと続いており一寸興醒めな沢でした。
 銚子が滝までは滝場は無く、沢登りをするなら遊歩道を利用して、銚子が滝から上部を目指すのが良いようだ。
 箱洞出合い付近からイワナやアマゴがA師匠に掛かりだし、KさんもMさんも沢登りから渓流釣りモードになってしまった。
 折角下見に来たのだからと銚子が滝の高巻に掛かる。踏み跡もシッカリ在る、最初は灌木もなく手掛かりを貧弱な草に求めながらの巻道だが、少し登ると立木も生えて木登りの巻道に変わる。半分くらいの所で下から降りてこいとの声が掛かる。此処の降りは懸垂下降でないと難しく途中の立木から懸垂で降りた。
 降りは遊歩道を使って箱洞まで降り、ここで一斉に釣りタイムとなる。私もテンカラを振ったが全く反応がない。
天気は上々、早々に諦めのんびりとみんなを待っていると、Kさんが腰を打ったと戻ってきた。竿を持って移動中岩で滑ったとのこと、相当痛そうだ。早く歩けないので先に遊歩道を降るため先行、その後大分立ってからやっと釣り人が帰ってきた、釣果は上々さすがはA師匠、何処でも必ず釣り上げる腕前は名人級。
 さて、降りは整備された遊歩道。吊り橋も3ヶ所。実に勿体ない程良く整備された遊歩道が続いている。遊歩道が沢から離れると立派な林道に上がる、そこはバイオトイレの立派な建物(なぜか施錠されていました)と駐車場だ。事業計画では、ここまで車で来て、遊歩道を歩き銚子が滝を見に行くのでしょう。目の前には、大きなトンネルが掘ってあります。元論完成してます。中はヒンヤリして真っ暗、ヘッドランプを着け暫く歩くと薄ボンヤリと出口が見えます。出た所は朝入渓した橋でした。何時になったら供用開始となるのでしょうか?。それとも何時までも補修が続き永遠に利用できないのではないか?。一寸複雑な心境です。
 暑い日差しを避けながら朝来た林道を下り、車まで戻る。ここにもトイレの完備した広場があり、水も少し離れた所に支流が流れている場所で幕営と決める。付近一帯はキャンプ禁止なのだが大目に見てください。献立は焼き肉、美味しい霜降りの牛肉にMさん家の新鮮野菜、追加でイワナとアマゴの焼き物に味噌汁。スイカも丸ごと流水で冷やし美味しく頂く。
 暗くなる頃テント設営、辺りにはブヨ(ブト・ブユ)が沢山飛び交い体中にまとわりつき油断すると「チクッ」とやられる、堪らずテントに潜り込むが中にも進入してくる。夕まずめを狙ってテンカラを振ってみたが反応も無し、裸足で居たので足許を狙ってブヨが襲ってくる。余りに多いので釣りどころではない、這々の体でテントに戻るが体中にまとわりついてくる。蚊取り線香を焚いて防御するがテントの中は蒸し暑く閉口する。
参加者

 8月9日 蒸し暑い一夜が明け曇り空。いよいよ海の溝洞へ挑戦の日です。池郷ゴルジュの前哨戦というか、私にとっては挑戦資格を問われる試験です。朝食を済ませテントを撤収し入渓口のキャンプ場へ移動。昨日より車が増えています。早速沢登りの車は場外へ移動を命じられる。
 昨日のアクシデントで参加を見合わせたKさんを残し、大勢のキャンパーが見守る中、川浦谷ゴルジュに突入開始。左岸をヘツリから入るがすぐに泳がないと進めなくなる。30m程のトロ場だが見た目より流れが速い、浮き輪を付けたSさんは進むどころか後退する始末、また冷水対策が万全でなく水から揚がっても寒くて震えが止まらない。出来るだけ水に入らないようにヘツッて行くが何度も泳がされる。トロ場を過ぎ最初の滝場から後ろを見ると1時間ほど経った割にはまだキャンプ場が見えている状態、殆ど進んでいないでは無いか。この調子では海の溝洞出合まで行けるのか心配になる。
 さらにヘツリで進んで行くが、対岸へ渡らなければ進めなくなり、激しい流れをどうして渡ろうか思案する。一番早い流芯を越さなければ対岸へ渡れない、ここまでで敗退か?
 ここは、浮きザイルを着けて流芯の向こうへ飛び込みそのまま流されながら対岸へ泳ぎ着くしか無い。眼鏡を無くさないように仕舞い込み、気合いを入れて思い切って飛び込む、頭まで沈むが力一杯流されながら泳ぎ想定通り対岸へ泳ぎ切る。後は一人一人ザイルを着け振り子式に対岸へ引き寄せる。更に右岸を出来るだけ低くヘツリ進む。時には高巻く。また小さな滝場が登場、両岸とも立っていて高巻き不能。Aさんが丁度黒部上の廊下口元のタル沢出合の時の様に激しい流れに抗しながら手掛かりの無い岩壁を水線ヘツリで抜けようとしたが、後一歩の所で進めなくなった。
 ここでは、もう一度左岸に渡るしか無いので再び飛び込みで挑戦する。先ほどは流芯が1本だったが、此処は流芯が2本ある、観察すると2本の流芯の真ん中に滝に向けての反転流が読み取れる、更に対岸間近には岸に向かっての巻き込み流がある。この二つの反転流を利用して泳ぎ切るしかない様だ。作戦はこうだ、一本目の流芯を飛び込みで越え反転流に入る、そこから二本目の流芯を流されながら泳ぎ切り対岸の反転流に入り岸に這い上がる。ポイントは、二本目の流芯を如何に早く越えるかに掛かっている。流されすぎると対岸の反転流に入れず、そのまま流されしまう。元の木阿弥だ。
 一度飛び込み掛けたが眼鏡を仕舞うのを忘れていたのでザックに仕舞い込み、覚悟を決めて気合い一発飛び込んだ。
 一本目の流芯は無事飛び越えた、いよいよ二本目の流芯に向かって力一杯泳いだが、みるみる流されていく。諦めずに泳いだのが功を奏してか後1m残して対岸の反転流に入れた、後はお決まりの振り子式引き寄せで全員が渡りきる。
 狭いゴルジュの中から空を見上げると、そこには橋が架かっており折良くギャラリーが数人我々を珍しそうに見ている。
 そこからは広くなった河原を進む。ヘツリと徒渉で割合簡単に進むと本日の目的「海の溝洞」が左岸から合流、本流は更に狭まり淵となって奥に続いている。海の溝洞はと見れば、幅2m位の狭いゴルジュから白濁した水流がジェット水流のようにはき出されている。凄い光景だ。
左岸をヘツリで近づき、微妙な傾斜のツルツルの岩をAさんが回り込み中へ入る。後はタイブロックで確保され全員無事到着、時間も経っているのでここで行動食を摂る。この時私は不注意でルベルソを水中に落としてしまった。
 この奥すぐにF1が見える。
海の溝洞
    写真:海ノ溝洞入り口

両岸ともツルツルの岩壁で取り付く島もない。記録によると左側から滝身に泳いで近づき滝裏を潜り中央から流れに抗して頭を出し右に抜けるとある。今日の水量では、滝に近づくことさえ出来ない状態。
本日は此処までと決める。休んでいる間にもA師匠は竿を出してはみたが反応が無いとのこと。
 さて帰りは沢を泳ぎ降ろうと思っていたが、真上の橋へ岩登りで帰ろうと早速準備をし登って行ってしまった。二番手でタイブロックをセットし登り始める、滑っている上に岩棚に上がる所が嫌らしく2度ほど登ったり降りたりしたが、最後は何とか登り切った。やはりフリーの練習不足が顕著に表れ実力不足を痛感する。
 2ピッチ目はハングしたヌル壁、A師匠はさっさと登ってしまうが、果たして私には登れるか不安だ。念のため沢用のあぶみは持ってきたが課題のハングした壁である。準備が出来て登り始めるが、やはり登れず、Sさんに替わってもらいあぶみをセットして貰った。その後2回トライしたが腕がパンプ、これ以上登ることが出来ず皆さんには悪いが沢を降って帰ることにしてもらった。勿論降りは流れに乗って楽ちんです。最後のトロ場では、ラッコ泳法で流れに身を任せ流されていきました。多くのキャンパーは我々を見て目が点になっていた事でしょう。
 この状況では、池郷ゴルジュの挑戦は出来ません。これが今の実力、認めざるを得ない現実を突きつけられて意気消沈。
 今回の沢登り、行きルンルン、帰りはシュン。私にとっては、何とも言い難い記憶に残る山行となりました。でも、秋にもう一度やってみたいそんな沢でした。
 

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